サイクロン災害復興支援プロジェクト

1970 年、当時東パキスタンであった現在のバングラデシュを襲ったサイクロン被災の救援活動以来、1990 年代にかけて、SCI バングラデシュとSCI 日本は親密な関係を築いてきた。SCI 日本からは多数のボランティアがSCI バングラデシュ主催のワークキャンプに参加し、ともにボランティア活動を行ってきた。バングラデシュ南部ボリシャル地区モウドゥビには当時のボランティアたちによって建設された道路が地元住民の主要道路として残るなど、今でも彼らの当時の活躍ぶりがうかがえる。

しかしながら、その関係は2000 年頃より疎遠となった。SCI 日本内部のボランティア派遣形態の変質などにより、暫くの間日本からのボランティアの派遣を見合わせていた。そもそもSCI アジア各支部との連携を基本活動方針の1つとしてきたSCI 日本にとっては、ボランティア派遣意志を特段失ったというわけではなく、派遣手段の変質による機会喪失というのが実情であった。

疎遠となった関係を近づけるきっかけとなったのは、また「サイクロン」であった。2007 年11 月、巨大サイクロン「シドル」がバングラデシュ南部を襲った。このサイクロンはバングラデシュ史上、最大級のものであった。このサイクロンによる主な被害は以下の通りであった。

このサイクロンに対しSCI バングラデシュは素早く対応した。12 月と2 月に被災地にて2 つの復興ワークキャンプを開催し、家屋とトイレの建設を行った。世界各国からのボランティアがこれらワークキャンプに集い、日本からも景山昭二・萩原智直・安田純の3 名が参加をした。この3 人の参加がSCI バングラデシュとSCI日本の関係を再び密なものにし、今回のプロジェクト調査に至るまでの直接的な第一歩となった。

2008 年6 月には当調査隊員でもあるSCI 日本の長田が海外長期ボランティアに名乗りを上げたことを受けSCI 日本からSCI アジア各支部へ問い合わせたところ、すぐにSCI バングラデシュが応答した。同時に両支部による共同プロジェクトの立ち上げが提案された。プロジェクトを立ち上げる前に現地住民が抱えるより高いニーズを把握するため、SCI バングラデシュとSCI 日本による共同調査が企画された。そこで、私たち3名が調査隊としてバングラデシュ南部ボリシャル地区内のランガバリ地方へ派遣される運びとなった。当地はバングラデシュの南部ボリシャル地区に位置し、サイクロン「シドル」の被害を最も大きく受けた地方のひとつであった。

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