国際設計競技の概要

背景と目的

バングラデシュ南部、ベンガル湾に面するデルタ地帯には、沿岸での漁業や、農業を生活手段とする人々が暮らしています。

ここは恒常的にサイクロン(ハリケーン、または台風とも言う)が襲来し、その暴風雨と高波により多くの人命、財産が失われています。
別の地域に移り住む余裕や術を持たない人々は、この自然災害を甘んじて受け続けなければなりません。

2007年11月にこの地域を襲ったサイクロンは近年にない大きな被害をもたらしました。

SCI(サービス・シビル・インターナショナル)バングラデシュ支部は、直後にこの地域で救援活動を行ない、また翌年にはSCI日本と共同で、ボランティが現地に滞在し、災害時の状況や、被災者達が今何を必要としているか聞き取り調査を実施しました。

その結果、最も現実的に必要としているものは、サイクロン襲来時の避難施設、サイクロンシュルターの建設です。この設計競技では、次のサイクロン襲来時に多くの人命や財産を護ることになるサイクロンシェルターの設計を求めます。

サイクロンシェルターは、日常はこの地域に必要な学校として使用され、また地域のコミュニティー施設(たまり場、集会施設、子供の遊び場)としても利用されることになります。
従って設計提案は、避難施設としての物理的な機能と、コミュニティー施設として地域の人々の利用を促す提案を求めます。
そのために、審査は2段階(2フェーズ)で行い、1次選考を通過した設計者は、建設予定地に数日間滞在し、現地の風土、文化、習慣などを体験し、また地域の人々との交流を通して地域と一体となり、地域のコミュニティーの活性化に繋がる設計コンセプトを求めます。

設計競技、及び最優秀案実施までの流れ

本設計競技は、2段階設計競技とし、最終(2次)選考審査に合格した設計者(建築家)は、実施設計を担当します。

設計競技参加者の公募、登録

インターネット、及びその他のメディア上で本設計競技を公開・公表し、Eメールによ

り登録受付を開始する。

第1段階(フェーズI)

設計競技参加者は、主催者が用意する設計与条件を踏まえ、提案の基本構想(コンセプ

トデザイン)をまとめ表現する。

第2段階(フェーズII)

1次選考に選ばれた設計者は、シェルター建設予定地のある近隣地域に数日間滞在し、

現地事情を直接把握し、地域住民との交流を通してシェルターの必要性、シェルター施

設に対する期待を直接確認し、基本設計(プレリミナリーデザイン)に反映させる。

実施設計段階

2次選考に選ばれた設計者(最優秀設計者)は、本設計競技主催者と設計委託契約締結

の上、実施設計を担当する。実施設計内容は、建設地の建築法規等を含む建築事情に適

合する必要があるために、バングラデシュに登録された建築設計事務所と共同設計によ

り実施設計を完了する。

建設工事段階

最優秀設計者は工事監理は行わないが、必要に応じ工事監理者、及び本設計競技主催者

の要請があるときは協力する。